Archive for 4 月, 2010

 

 各論です。

 ブレタノマイセスについてです。

 

 ブレタノマイセスあるいはブレタノミセス

 これは、酵母の1種類なのだそうです。

 

 ワインはアルコール発酵を経てワインとなるわけですが、基本的にアルコール度数が

 上がるまでのブドウをつぶした状態のときは、さまざまな微生物が混在している状態です。

 

 アルコール度数が上がると、アルコール耐性が強いサッカロミセス・セレヴィシュエの独壇場となり、

 そのままスムーズに進み基本的に糖分が使い尽くされればフィニッシュとなります。

 (すべての糖分を使い尽くせるわけではないようです)

 

 さて、もしもここで糖分が残っていればアルコール耐性のあるさまざまな微生物が狙いをつけてやってきます。

 

 基本的にはリンゴ酸に対して起こるマロラクティック発酵でさえも、糖分が残っていると

 乳酸菌の作用があらぬ方向に進んでしまいます。

 

 

 ブレタノマイセスもそんな微生物、酵母の一つです。

 よく言われていたのは、古樽の中に住み着いていて・・・

 ということだったのですが、実際はいたるところにみられるために

 ブドウの実に付着していることも十分にあるようです。

 

 さて、そのブレタノマイセスの何が不快臭なのかといえば、作り出す物質にあります。

 

 4-エチルフェノール(4EP)、3-メチル酪酸(IVA)、4-エチルグアヤコール(4EG)

 

 

 これらを作り出すわけですが、香りの上で特に問題となるのは、4EPです。

 

 4EPは主に馬小屋、納屋、汗でぬれた鞍などと表現される香りで、結構頻繁に感じることがあります。

(ちなみにIVAは馬の香りと言われるのですが、馬に関する香りの表現が多いのは面白いですね。)

 

 そして、4EGですが、これは今までの物質とは逆にスパイシーと評されたり、薫香と評されたり

 肯定的な香りとして受け止められています。

 

 ここにブレタノマイセスの複雑な問題が潜んでいます。

 

 

 香水の世界で良い香りばかりを集めて調香するのではなく、さまざまな香りを集めることで

 複雑な得も言われぬ世界を構築するように、ワインに少しの不快臭が混ざっていることが

 素晴らしい香りの世界を作り出すこともあります。

 

 ですから、多少の不快な香りが逆に素晴らしい効果をもたらすことがあるうえに、

 ブレタノマイセスには肯定的な香り(4EG)までもが含まれているわけです。

 

 有名な醸造家がブレタノマイセスを利用して・・・なんて話がありますが、

 こういったことを計算して香りを作り出しているのかもしれません。

 

 

 次回に続きます。

 

 (参考文献 『ワインの科学』 ジェイミー・グッド著)

13
4 月

不快臭について 1

   Posted by: wine    in ワインを考える

 

 不快臭について書いていきたいと思います。

 

 まず、テイスティング上感じられる不快臭を次の3つに分けたいと思います。

 

1、ブレタノマイセス由来などの微生物(酵母)の作り出す好ましくない香り
2、VAいわゆる揮発酸
3、硫化水素、メルカプタン系の硫化化合物系

 

1、は富永博士の『きいろの香り』などに詳しく書かれています。

 主にブレタノマイセスと言われる酵母の一種が作り出す

 エチルフェノールあるいは、エチル・グアイヤコールという物質の香りで、

 一般的には“フェノレ”と称されます。

 これは、酸化してもまったく飛びません。

 つまりデキャンタージュは無意味です。

 

2、乳酸菌や酢酸菌などが造りだす主に酢酸や酢酸エチルを問題としています。

 酢酸は酢の香り、酢酸エチルは除光液、ネイルリバーの香りとして表現されています。

 これまたデキャンタージュは関係ありません。

 

3、初めてデキャンタージュが関係してきます。

 いろいろな原因で作り出される香りですが、一般的には還元臭といわれるのはこの香りのことです。

 1,2もごちゃ混ぜに還元臭と表現されることが多いのですが、1も2も還元臭とは全く関係がないのです。

 しかも、3にしてもデキャンタージュをして効果があるのは、硫化水素でとどまっている時だけ。

 メルカプトエタノール(いわゆるメルカプタン)、あるいはジスルフィドと変化していってしまえばもうアエレーションではどうすることもできません。

 

 つまり厳密にいえば、アエレーションで原因を除去できるのは硫化水素のみなのです。

 もちろん、デキャンタージュによって温度を上げたりすることでほかの香気成分が揮発して、

 不快臭をおさえることはできなくないのですが、ちゃんと意味合いを理解している必要はあると思います。

 

 たとえば、ボジョレーの自然派生産者などのワインは1,2,3すべての香りがある場合があります。

 この時デキャンタージュをして提供すると、1や2の香りがむしろ目立ってしまって却ってよくなくなることがあります。

 

 なのでこの場合は、グラスの中での酸化や時間をたたせることで酸化を促し、

 ワイン自体の温度をコントロ-ルして、むしろワインの温度があまり上がらないようにすることも一つの方法だと思います。

 

 さて、取り合えず大きく3つに分けて書いてみましたが、もちろんそのほかの香りもありますし、

 ブショネはまた別に考えていきたいと思っています。

 

 というわけで次回に続きます。

 

 

 

 久しぶりのワイン会のお知らせ、今回もエスプリ・デュヴァンとの共催で行います。

 ご興味ございましたら、是非いらしてください。

■ ドメーヌ・ジャン・フルニエを楽しむ会
 4月16日(金) 19:00~22:00 於:レストランAK(三軒茶屋)
テーマ:ワイン会:ドメーヌ・ジャン・フルニエを楽しむ会
株式会社エスプリデュヴァン主催

2010年4月16日(金)19:00~ 於:レストラン『AK(アー・カー)』(三軒茶屋)

>>>>> 歴史は、人々に試練を与え、あらゆる文化的なことがらは歴史の篩にかけられる<<<<<

ブルゴーニュの赤ワイン造りにとって、2007年は、必ずしも簡単な年ではありま
せんでした。2007年のブルゴーニュの赤ワインを試飲して乾いたエグミを感じた
としたら、それは、収穫された葡萄が完熟していなかったことに起因していると
いえます。
 ところが、ローラン・フルニエが造る2007年の赤ワインは、決してそのような
風味を感じることがありません。むしろ良質で肌理の細かい渋味と豊かな果実風
味を感じることができます。このような赤ワインの風味のニュアンスの違いをさ
さいなことのように思うかもしれませんが、他の生産者に比べてローラン・フル
ニエの実力が明らかに秀でていることの証であり、彼のワインの質の高さを示し
ているといえます。

>>>>> 歴史と伝統に踏まえ研鑽を重ねるローラン・フルニエ <<<<<

フルニエ家が、葡萄栽培者としてマルサネに存在したという文献的な記録は、ル
イ13世の時代までさかのぼることが出来ます。今日、ドメーヌを引き継いだ若き
情熱ある栽培=醸造家ローランは、非常に情熱的で優しく、ユーモアがある人物
です。マルサネの歴史と伝統に踏まえつつ、高い品質のワインを造り出すために
 日々努力を惜しまず、研鑽を重ねています。彼の造りだすワインは力強く、凝
縮した果実味と上品な繊細さを感じます。

今回は、このローランが造り出すドメーヌ・ジャン・フルニエの2007年の赤をテー
マにワイン会を行いたいとお思います。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。

ワインリスト

・2005年 Marsannay balnc  Cuvee Saint Urbain
(マルサネ・ブラン ”キュベ・サン・チュルバン″)白 辛口

・2005年 Marsannay balnc Clos du Roy
(マルサネ ブラン クロ・デュ・ロワ)白 辛口

・2007年 Bourgogne Rouge
(ブルゴーニュ・ルージュ)赤 辛口

・2007年 Cote de Nuits Villages “Les Croix Violettes Vieilles Vignes
(コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・レ・クロ・ヴァイオレット・ヴィエイユ・ヴィーニュ)赤 辛口

・2007年 Marsannay rouge  Cuvee Saint Urbain
(マルサネ・ルージュ ”キュベ・サン・チュルバン″)赤 辛口

・2007年 Marsannay Les  Longeroies
(マルサネ ルージュ レ・ロンジェロワ)赤 辛口

・2007年 Marsannay rouge  Clos du Roy
(マルサネ ルージュ クロ・デュ・ロワ)赤 辛口

・2007年 Marsannay rouge  Les  Echezots
(マルサネ ルージュ レ・エシェゾー)赤 辛口

・2006年 Marsannay  Trois Terres VV
(マルサネ・トロワ・テール ヴィエイユ・ヴィーニュ)赤 辛口

・会費:9,000円(ワイン代・食事付、税・サーヴィス込)
・定員:8名~10名

よろしくお願いします。 

 

 すいません。

 

 体力の限界です。

 

 少し連休します。

 

 突然のお知らせでごめんなさい。

 

 6日から元気に仕事します。