こんばんは。
セミ・マセラシオン・カルボニック。
ラピエールは自らの醸造法をこう呼びます。
有機栽培で育てられた健全な葡萄を徐梗せずにタンクに入れます。
その際タンク上部にCO2を注入し、ブドウの自重でブドウがつぶれるのを待ちます。
1日目 ブドウは100リットルほどのブドウジュースを出します。
タンク下部は普通にマセラシオンされている状態。
その上はマセラシオン・カルボニック状態です。
さらに2日目は200リットル、
3日目は300リットルとジュースは増え続け
そして6日目でタンク上部までぶどうジュースが届きます。
いわゆるボジョレークラスのものはここでプレスにかけて普通に発酵。
モルゴンなど上質なものはここから1週間ほど。
MMⅤⅡやLE Cambonは2週間。
マセラシオン状態で醗酵して行く訳です。
その際、軽い力でピジャージュをして酸素を供給したりしながら、
最後にプレスをかけます。

マセラシオン・カルボニックは酵母による醗酵ではなく、
二酸化炭素に覆われた嫌気的な状況下の
細胞内醗酵という非常に複雑な醗酵過程を経て、
色素の抽出をしっかりと行いながらも、
タンニンのやわらかいワインを作ることを目的とします。
もともと1872年にパストゥールが発見したものでしたが、60年の月日を経てボジョレー地区で
実際に行われるようになりました。
一般的には密閉タンクの中に放り込み、炭酸ガスを注入し、
時間がたてば完成。
ブドウの果皮や梗を取り除き、色素や特有な果実味を得たジュースを得て、
補糖をして酵母による醗酵を続けます。
ラピエールのセミ・マセラシオン・カルボニックも
柔らかいタンニンや果実味を得ることを目的としている点で、
普通のマセラシオン・カルボニックと変わりません。
しかし、キュベに応じてその時間を変えることもそうですし、
酵母はプレス後も添加しません。
もちろん補糖も行いませんし、亜硫酸も添加しないために、
ナチュラルに醗酵は進んでいきますが、非常に手がかかります。
密閉タンクに入れて後は絞って醗酵で・・・というほどことは単純ではなく、
ピジャージュなどを行う点で普通のマセラシオン・カルボニックと違うようですが、
それが逆に普通の醗酵との境界線をあいまいにします。
最初の何日かの嫌気的な状態をのぞけば
ほとんど普通の醗酵と変わらないぐらいですが、
この醗酵法こそがガメイ種にとって最適である。
と彼は考えるわけです。
彼のワインは瓶詰め前に顧客の希望に応じて、少量の亜硫酸を入れるか、
軽いフィルターをかけるかを決定するそうです。
この日も、亜硫酸を少量添加したワインとまったく添加していないワインのテイスティングをしました。
前者も後者も薔薇水のような美しく可憐な果実味のワインでありましたが、
前者はよりみずみずしく苺っぽいフルーティーなワインであるのに対し、
後者は複雑でスパイシー。より香味の高いワインでした。
亜硫酸無しの醸造は非常にバクテリアに犯されやすい危険な醸造法です。
そんな中、
バクテリアは基本的に亜硫酸に弱く、
タンニンに弱く、
アルコールが高い場合も苦手です。
ガメイという品種はそのどれも満たさず、ワイン作りは非常に難しいように思います。
あまり良い香りのしない自然派ボジョレーは世に氾濫しています。
でも、ラピエールのワインは嫌な香りもほとんどせず、すばらしいクオリティーです。
おいしいラピエールのワインがまた飲めるようになったことは、
本当に嬉しいことです。

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