状態のいいワイン
vin et cuisine A.k.で、一番気を使うことはワインの状態です。
もちろんvin et cuisine A.k.にカーブがあること、ワインの用途によってカーブを変えたり、ワインの保存温度を変えるとか、そういうことは当たり前なのですが、何よりも気を使っているのは、仕入先なのです。
仕入れたワインがアウトだともうどうにもならない。
すし屋さんの魚の仕入れと何も変わりません。
僕の師匠の一人であり、尊敬してやまない平野さんはこれ以上ないぐらいの丁寧さでワインを扱います。(http://www.espritduvin.co.jp/)
彼の元で最高の状態のワインを飲んでいて、初めて僕はワインの違い、テロワールの違いが理解できるようになったのですが、それまでぼくには、テロワールの違いというものがよくわかりませんでした。
例えば、シャンボール・ミュジニー=花束のような香り、といった一般的な見方があるのですが、僕がそのことを頭に浮かべて、普通のお店で売っているワインを飲むと、確かにシャンボールのワインを飲んでいるのに、そんな香りは見つからないのです。
ああ、僕には才能がないな・・・と少なからず思いました。
でも、平野さんにワインの状態というものを教えていただいてから、色々なことがわかりました。シャンボ−ルには確かに花束のような密度の濃い香りがある。そして、本当に良いものは想像を超えて、花の洪水のよう・・・。
一般に流通しているワインの多くに、適切な温度管理をしていないことに起因する熱劣化という症状が見られます。酸味やタンニンの刺激とまた違うざらざらとした違和感やフレッシュな果実味のスポイルなど、良いことはあまりありません。
ワインは状態さえよければ、好き嫌いは別にして、何か見所があります。
地味な小さな差かもしれないけれど、ワインの小さな声に耳を傾けて、そのささやきを聞いている間に、あるいは、グラスの中身がなくなった頃には、なんとなく違いがわかるはずです。
ああ、美味しかった・・・、と。
ガングロフ・・。すごい作り手、すごいワインです。エスプリデュヴァンのガングロフ、特に白を飲むと忘れられない体験ができます。