ワイン講義 フランス編 5 ブルゴーニュ編?
DRC。主にアメリカで使われていた略語ですが、ご存知、ドメーヌ・ド・ロマネ・コンティーです。
簡単に言ってしまえば世界で一番高いと言われるワイン、ロマネ・コンティーを作っている会社です。
そして今日はそのDRCの至宝、ロマネ・コンティを紹介したいと思います。
ロマネ・コンティーもグランクリュ、つまりは特級畑の一つで、その畑の葡萄から作られたワインのこともまた、ロマネ・コンティーと言います。
少し前に行われたオークション1985年のロマネ・コンティー、マグナムボトル(レギュラーボトル2本分)6本が約2000万円で落札されました。普通のサイズで一本に換算すると約167万円です。
またインターネット上で、2002のヴィンテージは大体70〜80万円で取引されています。
何でこんなに高いのでしょうか?
“そんなに凄いのだろうか、いったいどんな味なんだろう。一度は飲んでみたい。”
そんな思いにかられずにはいられませんよね。
今は富裕層の一つのステイタスシンボルとして、あるいは投資の対象として、天井しらずの値上がりを見せていますし、2003ヴィンテージは2002以上の値がつくことはほぼ確実です(90万円〜100万円で推移)。値段相応であるかどうかはもはや、飲み物としてのワインの価値では計ることはできません。
ただ、それでもロマネ・コンティが唯一別格のワインであることに疑いはないかと思います。
かつて、マダム・ルロワがDRCでうでをふるっていた頃、マダムはロマネ・コンティを理解するのに20年以上の月日を必要としたことを告白しています。そしてもっぱらマダムはラ・ターシュに執心していたのだそうです。
ラ・ターシュもまた、ヴォーヌ・ロマネのグランクリュであり、ロマネ・コンティーと双璧をなす偉大なワインです。ロマネ・コンティーより力強く、果実味あふれるそのスタイルは時にロマネ・コンティーの評価を上回ります。
では、なぜロマネ・コンティは世界一と言われるのでしょうか?
マダムはこう言います
“ロマネコンティーはピカソであり、ラターシュはシャガールなのです。”
また、現在DRCを実質的に率いているオーベル・ド・ヴィレーヌさんは
“ロマネ・コンティーのどの点が優れているかと言うと、それぞれグランクリュのクリマ(畑)は長所と言えるものをもっているのですが、ロマネコンティはそのすべてをかね合わせてもっている、つまり総和なのです。”
と言っています。
ロマネ・コンティを完璧な球体と捉える人も多くいて、ラ・ターシュやリシュブールよりも圧倒的に優れているのではなくて、そのバランスを褒め称えています。
別の言い方をすればブルゴーニュの良いところを集めたワイン。それがロマネ・コンティと言えるかもしれません。
では、今日のテイスティングはロマネ・コンティ2001年です。僕がテイスティングしたのは2005年の年末です。少しでも味のニュアンスが伝わると良いのですが・・・・。
色は輝きのある美しいルビー。光をまとったグラスがなんともまばゆい・・・。(色を見ているだけなのにもうグラスから香りが立ち上ります。)
圧倒的芳香。
最初にオレンジの香り。僕はどちらかと言うとみかんに近いと思います。ヴァレンシアオレンジのような力強い香りを持った温州みかんの香り。そこから赤いフルーツ、ラズベリー、イチゴ、フランボワーズ。ざくろのような香りもあり、ここから土のニュアンスとスパイスの香りが表れます。
果実味を伴った圧倒的スパイス感。黒胡椒、カルダモン、山椒、あるいは陳皮、お屠蘇のようなニュアンス。そして人の皮膚、特に頭皮といいましょうか、女性を抱きしめているときに感じる優しい香りです。(女性から見れば男性の香りかもしれませんね。)
そして常に果実味あふれる芳香が漂っています。
口に含むと甘くて、酸がバランスよく溶け込んだ、これぞピノ・ノワールという味わい。美味しいー。
そこから、香りで感じたことが今度は味わいとなって展開されていきます。芳醇な果実味と甘酸っぱく口いっぱいに広がる味わいのハーモニー、そして土の香りに伴って表れるスパイスの風味が複雑性を与え、生気あふれる香りが余韻の幕を開き、またスパイスと果実味に変わっていき、最後はさつきや蓮華の蜜のような味わいと共に消えていく。
そんな印象です。
少しでも伝わればいいなーと思います。
いつかは飲んでみたいロマネ・コンティー。マネーゲームや投資の対象から外れることを願ってやみません。
参考文献
『黄金丘陵』 山本 博著 、『ブルゴーニュワインがわかる』 マット・クレイマー著