Archive for the ‘ワインセミナー報告’ Category

15
4 月

パカレ・ラピエールセミナー 6 

   Posted by: wine

 
 “醗酵に伴う90パーセントは土壌からである。

 そしてそれは単年ではなく、毎年そうなんです。”

 

 ラピエールはこのように答えてくれました。

 

 そして、二人とも言っていたのは、

 “サッカロミセス・セレヴィシエは、アルコール度数が上がった7~8度になってやっと働くんだよ。”

 

 ということです。

 

 つまり、アルコール発酵をフィニッシュさせるのは、確かにサッカロミセス・セレヴィシエ。

 しかし、ワインのティピシテやテロワールを表現するワインの本質はやはり複雑な天然酵母がもたらすのだ!

 と考えるようです。

 

 

 ワイン造りには色々な考え方があると思います。

 

 自然酵母を用い、亜硫酸を極端に減らす醸造法はある生産者にとっては悪夢のようだし、

 培養酵母を用い、亜硫酸を相当量用いる醸造法もまた、ある生産者からすれば受け入れることは出来ない。

 

 

 “美味しさこそが真実だ!”という人もいるけれど、そう簡単に割り切れるものでもありません。

 “美味しさ”自体、人によって違うあやふやなものだし、味覚は進歩します。

 

 それに、美味しければ何でもあり!というのもちょっと乱暴な気もします。

 

 

 ただ、この日のパカレとラピエールのワイン。

 素晴らしかったー。

 

 とても良い思いをしました。

 

 

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13
4 月

パカレ・ラピエールセミナー 5

   Posted by: wine

 

 さて、パカレのテイスティングは次の二つ。

 ともに柔らかく、滋味深いパカレらしい味わい。

 とても美味しく飲みました。

 

 

 

 

 

 テイスティングが終わり、質問コーナーがありましたので、質問をさせていただきました。

 

 質問の中身は、 

 

 “畑からの酵母と蔵付きの酵母との関係性について教えていただけますか?”

 

 です。

 

 

 この質問の意図は、次のようなことです。

 

 アルコール発酵の主役はもちろん酵母です。

 

 厳密に言えば酵母の中の酵素かもしれませんが、酵母の活動なくして、アルコール発酵は語れません。

 

 

 さて、その酵母。

 

 いろいろな種類がいて、その種類の豊富さが自然派ワインの複雑性の根拠になるわけですが、

 最後の最後はサッカロミセス・セレヴィシエが主役となります。

 

 この酵母は一般にアルコール生成能力が高く、他の酵母が死んでもアルコール発酵を続けてくれる大切な酵母です。

 

 しかし、サッカロミセス系の酵母はあまり畑では見つからないそうで(畑にも少しはいるらしい)、

主にキュブリーなどにふわふわと浮かんでいて、それが後にワイン(葡萄ジュース)に干渉してきます。

(もちろん、これは酵母を添加しない場合の話です。)

 

 さて、この“もやしもん”の世界のようなこの話で気になるのが、

 じゃあ、畑の酵母と蔵付き酵母。

 どっちが重要なんだろう?

 ということです。

 

 両方重要!

 

 うん、そりゃそうだ・・・と自分で思いつつも、

自然発酵の危険性を重視し、酵母添加の重要性を主張する論に立てば、

“畑や葡萄の実由来の酵母”なんてリスクをもたらすだけの存在のようにも思えます。

 

 それに自然派といわれる人たちは闇雲に“畑仕事が重要”と言いますが、

自然派でも酵母添加をして醗酵させる作り手の場合は、葡萄の実にフォーカスをしているだけで、

畑の酵母にはあまり気を向けないということなのでしょうか?

 

 そうすると有機栽培の意味も作り手によって大きく変わってくるはずです。

 

 というわけで、こんな質問をしたのです。

 

 これに対して、パカレ、ラピエールの返答はとても明快で面白いものでした。

 

 続きは次回です。

 

 

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6
4 月

パカレ・ラピエール セミナー4

   Posted by: wine

 

 さて、今日はフィリップ・パカレのセミナー報告です。

 

 

 

 彼の話はとても個性的です。

 

 そのため僕が十分に理解できているかはわかりませんが、

 とりあえず書いていきたいと思います。

 

 

 醗酵。

 彼にとって醗酵とは、

 “酵母による糖のアルコールへの変換”

 ということのみを意味しません。

 

 “醗酵”とは

 変化であり、

 エネルギーが動くことによって生ずる新しい、今までとは違ったインフォメーションの創造。

 死から生への転換です。

 

 光のエネルギーである光子、そして土中の成分や水分

 これらは、葡萄という植物の中で

 “醗酵”を起こします。

 “醗酵”の結果生まれたもの。

 それが葡萄の実です。

 

 

 葡萄の実はつぶされて、酵母という生物を通して

 “醗酵”を起こします。

 その結果生まれたもの。

 それがワインです。

 

 

 人間の中に取り込まれたワインは、消化というプロセスを経て、

 エネルギーに変わります。

 これもまた“醗酵”です。

 

  

 彼にとってワインはエネルギーです。

 人間の体には、ワインを通してミネラルが吸収されます。

 

 力や元気を失った人間はミネラルを吸収すると

 エネルギーを取り戻します。

 

 それを彼はミネラルの共鳴と呼びました。

 

 

 もともと光やミネラルだったエネルギーは様々な

 “醗酵”

 を経て、体に到達し、エネルギーとなります。

 

 

 つまり彼にとって、

 ワインを飲むということは、人間にエネルギーを補給することに他ならないのです。

 

 

 彼の言葉。

 

 “なぜわたしは本物のワインを作るのか?”

 

 ・・・・・

 

 

 深いですね。 

 

 

 

 
 

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30
3 月

パカレ・ラピエール セミナー 3

   Posted by: wine

 

 こんばんは。

 

 セミ・マセラシオン・カルボニック。

 ラピエールは自らの醸造法をこう呼びます。

  

 

 有機栽培で育てられた健全な葡萄を徐梗せずにタンクに入れます。

 その際タンク上部にCO2を注入し、ブドウの自重でブドウがつぶれるのを待ちます。

 

 1日目 ブドウは100リットルほどのブドウジュースを出します。

 タンク下部は普通にマセラシオンされている状態。

 その上はマセラシオン・カルボニック状態です。

 

 さらに2日目は200リットル、

 3日目は300リットルとジュースは増え続け

 そして6日目でタンク上部までぶどうジュースが届きます。

 

 いわゆるボジョレークラスのものはここでプレスにかけて普通に発酵。

 

 モルゴンなど上質なものはここから1週間ほど。

 MMⅤⅡやLE Cambonは2週間。

 マセラシオン状態で醗酵して行く訳です。

 

 その際、軽い力でピジャージュをして酸素を供給したりしながら、

 最後にプレスをかけます。

 

 

 

 マセラシオン・カルボニックは酵母による醗酵ではなく、

 二酸化炭素に覆われた嫌気的な状況下の

 細胞内醗酵という非常に複雑な醗酵過程を経て、

 色素の抽出をしっかりと行いながらも、

 タンニンのやわらかいワインを作ることを目的とします。

 

 もともと1872年にパストゥールが発見したものでしたが、60年の月日を経てボジョレー地区で

実際に行われるようになりました。

 

 一般的には密閉タンクの中に放り込み、炭酸ガスを注入し、

 時間がたてば完成。

 ブドウの果皮や梗を取り除き、色素や特有な果実味を得たジュースを得て、

 補糖をして酵母による醗酵を続けます。

 

 

 ラピエールのセミ・マセラシオン・カルボニックも

 柔らかいタンニンや果実味を得ることを目的としている点で、

 普通のマセラシオン・カルボニックと変わりません。

 

 しかし、キュベに応じてその時間を変えることもそうですし、

 酵母はプレス後も添加しません。

 もちろん補糖も行いませんし、亜硫酸も添加しないために、

 ナチュラルに醗酵は進んでいきますが、非常に手がかかります。

 

 密閉タンクに入れて後は絞って醗酵で・・・というほどことは単純ではなく、

 ピジャージュなどを行う点で普通のマセラシオン・カルボニックと違うようですが、

 それが逆に普通の醗酵との境界線をあいまいにします。

 

 最初の何日かの嫌気的な状態をのぞけば

 ほとんど普通の醗酵と変わらないぐらいですが、

 この醗酵法こそがガメイ種にとって最適である。

 と彼は考えるわけです。

 

 

 彼のワインは瓶詰め前に顧客の希望に応じて、少量の亜硫酸を入れるか、

 軽いフィルターをかけるかを決定するそうです。

 

 この日も、亜硫酸を少量添加したワインとまったく添加していないワインのテイスティングをしました。

  

 

 前者も後者も薔薇水のような美しく可憐な果実味のワインでありましたが、

 前者はよりみずみずしく苺っぽいフルーティーなワインであるのに対し、

 後者は複雑でスパイシー。より香味の高いワインでした。

 

 

 亜硫酸無しの醸造は非常にバクテリアに犯されやすい危険な醸造法です。

 そんな中、

 バクテリアは基本的に亜硫酸に弱く、

 タンニンに弱く、

 アルコールが高い場合も苦手です。

 

 ガメイという品種はそのどれも満たさず、ワイン作りは非常に難しいように思います。

 

 あまり良い香りのしない自然派ボジョレーは世に氾濫しています。

 

 

 でも、ラピエールのワインは嫌な香りもほとんどせず、すばらしいクオリティーです。

 

 

 おいしいラピエールのワインがまた飲めるようになったことは、

 本当に嬉しいことです。

 

 

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 こんばんは。

 

 セミナー報告の続きです。

 

 

 まずは、マルセル・ラピエール編。

 

 

 マルセル・ラピエールといえば誰もが認める高品質ボジョレーの第一人者。

 

 彼のモルゴンには、感動することしばしば。

 

 薔薇水のように華やかで優しい味わいは唯一無二の個性であります。

 

 

 この日のセミナーで彼は、

 自らの醸造方法を事細かに説明していました。

 

 

 亜硫酸を入れないときのバクテリアの問題(ある種の乳酸菌の問題)。

 温度管理の重要性

 そもそも何ゆえ有機栽培が必要なのか

 etc

 

  

 非常に簡明で曇りのない説明。

 彼のワインに対する真摯な姿勢を感じずにはいられませんでした。。。

 

 そんな中で彼が最も強調したのはセミマセラシオン・カルボニック。

 本当のマセラシオン・カルボニックについてでした。

 

 次回はその話を書きたいと思います。

 

 

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