ベルタについて 2
今から7~8年前のこと、信濃屋の代沢ワイン館に試飲コーナーがありました。
毎日のように高級ワインの試飲ができたので、僕も足繁く通っていたのですが、
土曜日や日曜日は、いつにもまして高級ワインが開きます。
ボルドー5大シャトーに始まり、 DRCのロマネ・サンヴィヴァンの95やクリュグのクロ・ド・メニル・・・・。
あの頃に様々な高級ワインを飲めたことはとても幸運でした。
試飲カウンターには結構プロの方も来ていたようで、ずいぶん色々なことを教えてもらいました。
特に忘れられないのは、渋い表情でサシカイアの試飲をする中年の男性。
聞けばイタリアンレストランを経営されて長いとか・・。
話をしていただいている時のこと。。
“最近のイタリアワインはもう飲める・・・。ブルネッロなんか最低で10年、まあ20年だよね・・・。”
へー・・・・そうなんだ。。。
ああ、きっといっぱい知ってる人だ!と思い、僕は興味しんしんで聞いてみました。
“それっていつぐらいに作られたものですか??”
渋い中年男性。。。軽く上を見上げて穏やかな声で、
“70年代はまあそうだね。80年代もそうだけど・・・まあ90年になってホント変わったよね。”
へーーーー。
いいこと教わった!!
そんな感じで僕は知識を蓄えていきました。
で、ベルタの話なのになんでこんなことを書いたかといいますと、
ベルタの樽を使ってのグラッパの熟成は80年代初頭のことで、
それは、フランスに勉強に行った何人かのイタリアの醸造家とフランスワインの勉強をしていく中で
生まれたアイディアなんだそうで、ベルタのすばらしいグラッパがうまれる背景には、
イタリアワインの革新があった。。。
それを書きたかったのです。
(長い説明ですね。。読みにくくてすいません。。。)
80年代から90年代にかけてイタリアワインはフランスワインの技法を急激に吸収していきました。
ボルドー大学のエミール・ペイノー博士がボルドーの様々なシャトーで、現代醸造の基礎となる考え方を広め、
ブルゴーニュでも様々な技術革新が進み、フランスワインが急激にその質を高めていく中で
一部の例外を除いて、イタリアワインは完全に技術的に立ち遅れていました。
もちろん地方性に根ざしたワインこそがイタリアワインの魅力ですから、それが失われたわけではありません。
ただ、清潔で還元的な醸造方法であったり、バリックでの熟成や収量を抑えた収穫とそのタイミングなど。
フランスでは当たり前とされるようなことが、ほとんど知られていなかったわけです。
そうなると特にプレミアムワインの分野でイタリアワインはフランスの後塵を拝する形となり、
良質なイタリアワインの生産者は苦悩していました。
(エリオ・アルターレの話などはまさにそうですよね。http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/kataru/20070323gr05.htm)
フランスワインの技術を学んだ作られたイタリアワインは、スーパータスカンやバローロ・ボーイズをはじめとして
市場でも評価されて、今ではすっかりと有名になったわけですが、
ベルタのグラッパもそんな流れの中で生まれたものなのではないかと思います。
(グラッパの原料であるヴィナッチャつまりワインの搾りかすなのですが、ベルタのものは極上のものを使っているのだそうです。
良質なワイン生産者は絞り方がゆるいので、その搾りかすを使う。。。つまり、搾りかすの良質化自体もワインの技術革新に伴って生まれた。。
グラッパの良質化はワイン造りの良質化なくして実現しえない・・・。
あくまで、推論なんですけど・・・。。)
まあそんなこんなでいよいよベルタ社の説明とテイスティングにはいるのですが、次回に続きます。
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